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【DBD】学術書Ⅰ-覚醒「エンティティ」

ストーリー:ログ01、54、142、557、731

アーカス01

まずは、始まりの話をしよう。あれがいつのことで、私がどれくらい投獄されているかは分からない。わかるのは、かつて…強迫観念として…存在したエンティティの精神活動を観察し、研究する羽目になったということだけ。皮肉なものだ。壊してしまいたいと思っていた対象の内側で、余生を過ごさなければならないとはな。かつて強迫観念だったものが、私を捕らえている…。おそらくすべての強迫観念が、そうなのだろうな。

アーカス54

この領域の雰囲気は控えめに言っても暗く、暗澹(あんたん)としている…それでいて、常に変化を続けている。私はすでに気付いたのだが、周囲に霧がかかることがあり、時にはさらに霧が濃さを増す。まるで霧自体が生きているように感じられる。記憶の渦や流れ、言い換えれば多元的な宇宙世界の存在の痕跡を内包しているかのようだ。まるでエンティティは無限の宇宙を漂う道中で超自然的な全てのエネルギーや存在物の思念を吸収しているかのようである。私はオーリスを使ってこの黒い霧を研究し、3つの観察結果にたどり着いた。その結果は、ここから逃げ出す方法を探す過程で計り知れない価値を持つと分かるだろう。まず第一に、この霧はオーリック粒子が豊富であるということ。このことから、私はこの次元が物質的というよりも意識に近いものだと感じている。第二に、霧に存在する亀裂から引き出せるものは何であれ、私の家計に伝わる技術を使い証明できるはずだということ。第三に…エンティティは我々が想像していたよりも、遥かに古代に誕生した存在だということ。そして、我々の理論や憶測のほとんどは間違っているということ。オーリック粒子とオーリックセルの大量の存在が示唆するのは、エンティティは原初の存在のひとつ、古代から存在するということだ。

アーカス142

エンティティは、邪悪を具現化した宇宙的な存在だ。我々は、自分の故郷でエンティティという存在が世界をひっくり返すのを目撃してきた。地域社会の共感や同情という感情を排除し、消滅させ、人々を狂気の淵へと追いやり、突き落とすのを見てきた。私には、エンティティがこうした行動を取る理由が分かった。犠牲者を人生から引き剥がし、永遠に終わらない悪夢のような試練に参加させるのがエンティティの目的なのだ。エンティティ自身の生存のために、試練が必要なのかもしれない。そしておそらく、試練にこそエンティティを破壊するカギが存在している…そもそも、古代から存在する者の破壊が可能であるならばの話だが。試練に終止符を打たなくてはならない。犠牲者から暗黒の蜜を搾り取るという、花から餌をもらう残酷な寄生虫のようなエンティティの能力を消滅させなくてはならない。少なくとも、アーカイブのおかげでエンティティをより深く理解することができる…エンティティが宇宙から宇宙を移動し、犠牲者を選び出し、宇宙をビュッフェ形式に見立てた如く、世界を貪り食う、その理由を理解している。だが、未だに結論づけられないことがある。エンティティが暗闇と狂気で彩られた世界に引き付けられるのか、あるいはエンティティ自体が暗闇と狂気を引き起こしているのか。それはまだ分からない。

アーカス557

全ての存在の次元界とは、意識的なオーリック粒子と物質粒子の独特な混合物である。エンティティは間違いなく、ほぼ純粋な意識と言える…存在するという観察可能な事実は、物質界が意識に反応し、意識とともに変化するということだ…集合意識こそがカギとなる…身体、故郷、試練…その全てがエンティティの無意識のうちの恐れと、恐怖への渇望を表している。エンティティに選ばれた検体をよく観察すると、彼らが皆、自分たちの思想と、自分たちが住んでいる世界との刑上学的な関連性の理解に失敗した世界から来ていることが分かる。これは偶然ではない。私の考えでは、それは自己保存だ。この真実を知り、自分たちの能力を磨き上げて証明した犠牲者たちは、エンティティにとっては害をなす可能性があった。そう考えると、エンティティは暗澹とした世界に惹きつけられるという結論に導かれる。何故なら、暗闇や混沌が存在するということは、そこに住む者が集合意識と自分たちの世界の健全さの間にある別々の事実から結論を導くことに失敗しているということの明確な証左であるからだ。つまり結論として、エンティティは無知を食い物にしているという可能性がある。

アーカス731

いつか終わりが来て、新たな始まりがあるのだろうか。それをいうのは難しい。塔とライブラリが私の戦いに力添えをしてくれる。だが、自分が掴んだこと全てが嘘だと知りつつ、自分の置かれた状況という事実を一瞬でも忘れることは困難だ。私は知りたいことは何でも知ることができるが、いまだに何も知り得ていない。生存者は恐ろしく残虐な殺人鬼との試練を今でも続けている。私は脱出の方法を発見した人々を記憶するために、霧の調査を続ける。時に、この調査は無駄なものに感じられる。だが、その反面…私には十分な時間がある…十分すぎるほどの時間が…